設立趣旨

一般財団法人千本財団はアジア太平洋各国において、経済的に困窮する優秀な若者に対し、日本国内の大学における勉学・研究のための財政的援助を行い、将来各国のリーダーとなる人材の養成をすると共に、日本とアジア太平洋各国の相互理解の深化に貢献するために設立されました。

日本は、先の大戦や、3.11東日本大震災からの復興を通し、世界各国の人々から、愛と寛容と勇気をもらいました。私は海外留学などで一般学生にとって夢の時代であった1960年代に、フルブライト奨学金を得て米国に留学し、グローバルな視点での社会貢献を尊ぶ精神と、その根幹である米国のオープンな価値観に触れ、衝撃を受けました。その時の出会いや経験が、その後の私の人生観の形成に重要な役割を果たし、第二電電(現KDDI)をはじめ、数々の企業の創業に繋がりました。

私の留学から半世紀が経過し、世界は想像もしない変化をしつつあります。しかし、グローバル化と多様化が混然と進む現在においてこそ、あるべき愛と寛容の精神に基づき、世界を担う人材の育成に貢献すべきであると私は考えます。その結果として、アジア太平洋の若者が、我が国の文化の根源である和と懐の深さについて理解を深めてくれたら、これにまさる喜びはありません。

私は、この理念を実現すべく、とりわけ経済的な理由で高度教育を受ける機会が少なく、我が国と関係の深いアジア太平洋各国の若者を対象に、返還義務のない奨学金を支給することを目的とした「公益財団法人 千本財団(英名:Frances & Sachio Semmoto Foundation)を目指します。(2019年2月より公益財団法人に認定されました)


2017年7月
代表理事 千本 倖生